70歳の危機と奇跡③

 なんと、そのあとからふうーっと身体が軽くなった。まるで身体中をきつく縛っていた重い鎖が外れ落ちたような感覚だった。身体は左側に大きく「く」の字に傾き、歩くにもかがむにも、非常な苦痛を伴ったのに、なんと楽になったことだろう。その日は家族から接骨院へ行くよう勧められていたので、どうしようかと半ば迷いながら車で行くことを決めた。昨日までは車に乗るなんて考えられなかったことだ。たとえ、夫に連れて行ってもらうとしても、ひどい苦痛のため、静かに横になっていたほうがましだとさえ思えた。それが今や車の乗り降りも運転も自分で、しかも意外なほど楽にできた。接骨院で問診票を書いて立ち上がる時、「あれっ」と思うほど苦痛がなくなっているのを感じた。それで、「ここに来てからすごく楽になりました。」と受付の奥さんに言うと、「えーっ、まだ何もしていませんよ。」とけげんそうな言葉が返ってきた。そういえばそうだっけ。治療はこれからだったんだ。治療のためにここに来たのにその必要もないほど良くなってしまった。なんということだろう!あの痛み、体中を締め付けていた苦痛はどこへ行ってしまったのだろうか?私の日常も私の将来も狂わせ、奪うかに見えたあの暗闇の力はどこに失せたのか?私はいやされた!主よ、感謝します。

 素晴らしい神の愛、憐み深いイエス様の御名を私はほめたたえる。私の祈りに主は答えてくださった。確かに主は私を見捨てることはなかった。

「たとい、死の陰の谷を歩くことがあっても、私はわざわいを恐れません。あなたが私とともにおられますから。」  (詩編23編4節)

私にとっての死の陰の谷、骨盤がずれて苦痛と不自由さの中にいた絶望的な日々は終わった。ハレルヤ!