70歳のチャレンジ

  足腰を鍛えるために、それからは自転車に乗って出かけるようにした。これまで自転車に乗るということはほとんどなかったが思い切ってチャレンジしてみた。70歳にしてこんな日が来ようとは!風を切って走る心地よさ、自転車と自分の身体が一体となって重心移動する動きに五感が刺激され、気持ちも前向きになった。三か月前にあの不自由な身体だったことが嘘のように思えてくる。思いのままに身体を動かせることがなんと有難いことだろう。なんという嬉しさ!主が顧みてくださらなかったら、今の私はない。主への感謝の思いがあふれてきて、ペダルをこぎながらも主を賛美せずにはいられない。「主よ、愛する主よ、私をいやしてくださって本当にありがとう。私はいやされている!『彼の打ち傷によって私たちはいやされた』(イザヤ53章5節)とある通り私はいやされた。ハレルヤ!」

 この年になってから自転車に乗ることに多少の不安がなかったわけではない。年寄りの冷や水で、そんなことをしたばっかりに怪我でもしたら・・と思いもしたが、まずは息子の勧めに従って保険に入り、無理のない範囲で身体を鍛えることとなった。いつもは車で買い物をすませていたが、車に自転車を積んでおいて、両方を適宜使い分けるようにした。また、車道を避けて安全第一を心掛け、海岸線や川沿いのサイクリング可能なコースを走った。これにより、私の行動範囲はぐーんと広がった。自由を奪われて介護を受ける身となっていたかもしれないことを思うと、今の生活はただただ有難かった。