70歳の危機と奇跡②

 でも、一方で何とかしなくちゃ、このままではいられない、との切迫した気持ちで心が騒ぐ。すぐさま私は、この状況をご存じの私の神にいやしを求めて祈った。(私はクリスチャン)―これまでに、もう前に進めないという困難なことが多々あったが、その都度神の奇跡的な介入があった。―私の神は決して私を見捨てはしない。

 だが、祈ってもすぐに変化があらわれることはなかった。こんな不自由な体でいつまでいなければならないのだろう?これから先、そしてずっと、そう考えると気が滅入ってくる。トイレにはなんとか行けたが、何をするにも体をきつく縛られているような不自由さと腰の痛みがある。そのようなわけで、食事をするために椅子に座ることさえ苦痛だ。かつては思いのままにできていたことが、今はしょうとしてもできない。神はなぜ、このような状況が起こることを許されたのだろうか?どうして何もしてくださらないのか?だんだん心の中に無力感が広がっていった。

 そのうち、ふと気になっていた本を取り上げて読んでみようと思い立った。それは、「告白はあなたを変える」というタイトルの本だ。告白というと、罪の告白を思い出すかもしれないが、この本で言うのはそういう類のものではない。むしろ、肯定的な告白であって、神のことば(聖書の真理)をどう信じているかを言うことなのだ。つまり、私が神のことばと一致した言葉を告白するとき、その告白の言葉に力があるのである。この本を読み進めるうち、信仰が頭をもたげ、心の中の暗いものが次第に消えていくのを感じた。そして、聖書の言葉を声に出し宣言した。「彼(イエス・キリスト)の打ち傷によって私たちはいやされた。」(イザヤ53章5節)さらに、「私は罪から救われており、病もいやされた。主イエスがわたしのために苦しみを受けてくださった。」と自分の言葉で告白した。そのあと、悪魔をイエス・キリストの御名によって退けた。

 ※悪魔・・・サタン。その支配下に悪霊がおり、人間にわざわいをもたらす。